授乳中のママは、食べたものが赤ちゃんのおっぱいになる、など言われて、毎日の食事に気を使っているママも多いでしょう。
昔から言われている『おっぱいがまずくなる食べ物』『乳腺炎の原因になる食べ物』など、いろんな情報が入ってきます。
しかし、その多くは医学的根拠がないようです。
おっぱいはママの血液が原料ですが、食べた食品がそのまま血液になるわけではありません。
とにかくバランスのとれた食事が第一です。
穀物(炭水化物)、野菜、肉魚、イモ豆、卵や乳製品などを、しっかり毎日バランス良く食べるようにしましょう。
●白米やお餅がおっぱいの出をよくする?
そんなことはありません。栄養が乏しかった昔の日本では、貴重な食べ物だったのでしょうが、現在はバランスのよい栄養が最も大事だと考えられています。また「小麦粉は体を冷やす」も根拠がないので気にする必要はありません。
●牛乳や卵を食べ過ぎると赤ちゃんがアレルギーになる?
食べたものがそのまま出るわけではありません。赤ちゃんに何も問題が起きていないのに、勝手に除去を続けると、ママの栄養が偏る心配があります。
もしいつも同じものを食べた後で赤ちゃんの様子に変化がある場合は、医師に相談しましょう。赤ちゃんにアレルギーが起きた時、医師によっては除去する指導をする場合があるかもしれません。
●甘いものや脂っぽいものを食べると乳腺炎になる?
これも根拠がありません。
日本以外の国では、乳腺炎の原因はきつい下着の着用や、赤ちゃんのおっぱいの飲み残しなどと言われています。
他にも、母乳パッドの交換忘れや、ママの疲労による抵抗力低下、傷ついた乳首、など細菌が乳管から入って炎症を起こすことが原因となるケースもあります。
●カレーやキムチなど辛いものは母乳がまずくなる?
インドなどほとんどの食品が辛い国もありますし、赤ちゃんに影響はないと考えられています。
ただ、医学的な説明はつかないのですが、ママの経験的に、辛い物を食べた後、赤ちゃんがおっぱいを飲みたがらない、機嫌が悪くなる、などの現象が見られる場合もあるようです。
●お酒、タバコ、薬、カフェインはダメ?
これらはママの血中に成分が出てくるものなので、母乳に影響があるようです。
お酒は飲んですぐ血中にアルコールが含まれ、母乳にも検出されるようです。もし少量飲んでしまったら、血中アルコール濃度が下がる2時間くらいは授乳を避け、たまった母乳を絞って捨ててからがよいと言われています。
タバコは血管を収縮させるので、おっぱいの出が悪くなります。ニコチンなどの成分が母乳へ移行しますし、どちらかというとママが吸うことで、副流煙の害がある方が大きいと考えられます。ミルクだったとしても、ママはがんばって禁煙しましょう。
薬は、成分にもよるようです。もし医者にかかったら母乳育児中であることを必ず伝え、母乳に影響のない薬を処方してもらうか、服薬のためミルクに変えるなどの対応をとりましょう。
カフェインは毎日大量に摂取しない限りは影響がないと考えられていますが、やはり経験的に、コーヒーや紅茶を飲んだ後に授乳すると、赤ちゃんがぐずる、寝つきが悪くなる、という感覚を持つママもいるようです。
カフェインに反応しやすいかどうかは、赤ちゃんの体質の個人差があると考えられます。
Photo by Nelson Kwok