赤ちゃんが指しゃぶりをする姿はとても愛らしくかわいいものですが、この指しゃぶり、4歳から5歳くらいまで続けてしまうと、歯に大きな影響を与えてしまう可能性が高くなります。
2歳くらいまでの乳児期の指しゃぶりは本能的なもので、それほど心配する必要はありませんが、幼児期を迎えるまでに何とか指しゃぶりを卒業させたいものです。
指しゃぶりが歯に与える影響とは、どのようなものでしょうか。
一つ目は歯並び。指しゃぶりをし続けることによって歯並びが悪くなってしまいます。
指しゃぶりをしていない子供の歯並びの画像と、指しゃぶりをし続けてきた子供の歯並びの画像を比較してみると一目瞭然(「指しゃぶり」で画像検索すると、いろいろな例が見つかります)。明らかに指しゃぶりをし続けてきた子供は、上の前歯が前方に出てしまっています。
出っ歯になってしまうと口を閉じる癖がなくなり、常に口がポカンと開いた態になってしまいます。
口が開いたままであると、鼻呼吸ではなく口呼吸を主にするようになり、歯から鼻へと影響の範囲も拡大されてしまいます。
二つ目は噛み合わせ。前歯が出てしまうばかりだけでなく、口の中の中心部分が上と下で合わず、噛み合わせが悪くなる可能性もあります。
噛みあわせが悪くなってしまうと、言葉の発音にも影響を及ぼしてしまい、歯と歯の間からスースーと空気が漏れる音が聞こえてくることもあります。
このように指しゃぶりによる影響は歯だけにとどまらず、歯から違うところにも響いてしまうので、3歳くらいになった時点で、指しゃぶりを止めるように取り組む必要があります。
小児歯科によっては、指しゃぶりを卒業するためのトレーニングをしている医院もあるようなので、そういったものをうまく利用していくとよいでしょう。
子供が嫌がらずに自然と卒業できればいいですが、意志がはっきりしてくる幼児期の子供であれば困難かもしれません。
歯科医師に相談した上で進めていくと、成功しやすいでしょう。
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