仕事をしているママにとって大きな悩みの種となるのが「37.5℃の壁」と呼ばれるものです。
これは、保育園が子どもを預かることが出来るかどうかの基準で、子どもの体温が微熱と言われる37.5℃を超えると、多くの保育園では子どもを預かってくれません。
また、子どもを保育園に預けていても、37.5℃を超える発熱があった場合には、親は仕事中であっても、保育園に子どもを迎えに行く必要があります。
保育園では、他の子どもへの感染防止と、保育園のリスクマネジメントというのを理由として、37.5℃の基準を設けています。
そのため子どもが37.5℃以上の熱を出せば、どんなに親が仕事が忙しくてもそれを中断して子どもを迎えに行ったり、無理を言って会社を休む必要が出てきます。
共働きの夫婦にとっても、これは重大な問題になっています。
共働きの時代になったからといっても、この37.5℃の壁で影響を受けるのは、もっぱら母親の方です。
共働きの時代なので、パパも一緒に子育てをするべきなのですが、子どもが病気をした時には特に、母親だけに子育てを全て任されてしまうのです。
専業主婦が主流であった時代とは大きく変化しているにもかかわらず、いまだに子育ては母親がするものだ、という価値観が根強く残っているのです。
実際子どもは急に熱を出しますし、その熱が何日も続いたり、下痢などの症状でも保育園に登園できないケースや、水ぼうそうなど厚生労働省から『保育所における感染症対策ガイドライン』で登園してはいけないケースもあり、すぐに職場に戻れるというわけでもありません。
子どもの看病で仕事を1週間休んだらクビになってしまったというママもいて、政府は子育てと仕事の両立を推進されつつも、実態はまったくフォローがないという深刻な現状があるのです。
そんな時に、病気の子どもを施設で預かる、またはスタッフを自宅に派遣して看病してくれるのが病児保育サービスです。
しかし、それだけ必要とされていつつも、まだまだ全国的に見て、病児保育の施設は少ないのが現状です。
しかし、病児保育を当たり前のように母親だけに任せている世間の風潮も徐々に変化しており、イクメンという言葉も広がってきています。
それと同時に、病児保育の施設の必要性も広がっていかないと、いつまでも「37.5℃の壁」は解消されないでしょう。
Photo by Alessandro Valli