毎日歯磨きはしても、口の中の健康とインフルエンザに関係があると考えている人は少ないかもしれません。
歯周病というと大人の病気と思っている方も多いかもしれませんが、最近は子どもにも歯周病あるいは歯周病予備軍が増えています。
インフルエンザとなんら関係ないように思える歯周病ですが、実は歯周病の原因となる歯周病菌の一つにインフルエンザウィルスの感染をサポートする役割があると言うことが分かったのです。
さらに厄介なことに、この歯周病菌はタミフルといったインフルエンザの薬の効果を薄くしたり、ウィルスが増えるのを助けたりします。
そのため口腔ケアは小さな頃からしっかり行うことが大切とされているのです。
そもそもインフルエンザウィルスが人に感染するためには人の細胞の中あるいは外にある酵素によってウィルス表面のたんぱく質を変質させなければなりません。
日本歯周病学会はA型香港インフルエンザウィルスで実験を行ったのですが、呼吸器系細胞に含まれる酵素によって感染力が高まるA型香港インフルエンザウィルスは歯周病菌であるジンジバリス菌によって呼吸器系の酵素を介さなくても発症に至ると言うことが分かったのです。
子どもはまだ免疫力が低く、ウィルス感染もしやすい時期ですから、口腔ケアを怠るとインフルエンザウィルスに感染するばかりか重症化してしまう可能性も高くなります。
そのため親御さんの適切なケアと仕上げ磨きが非常に重要になってくるのです。
Photo by Harris Walker