子育てをしていると、子どもを巻き込んだ悲惨な事件や、悲しい事故の知らせを見聞きします。
虐待や交通事故も絶えないですね。
ところが、乳幼児の死因の一位は、意外なことに『不慮の事故』が最も多いのだそうです。
特に、のどに何かを詰まらせて窒息死する事故が多く、親しまれている食べ物や、身近な小物が凶器になっているケースが少なくありません。
実際に起こった誤飲による窒息死亡事故をご紹介します。
●【1歳・女の子】弁当箱に入っている醤油さしを飲んで、窒息
醤油さしは小さくて、透明で、弾力があって、子どもにとって、グミみたいにも見えます。過去にも、醤油さしの誤飲は多く報告されています。
●【3歳・女の子】ミルキーをなめながら寝ころんで窒息
飴玉は窒息の原因として有名ですが、やわらかいチューイングキャンディもうっかり飲み込みやすく危険です。
飴類はなるべく大きくなってから食べさせるようにし、食べてる最中は座ってじっとする、走らない寝ころばないを徹底させましょう。
●【7歳・女の子】給食のうずらの卵をのどに詰まらせ窒息
子どもが大好きなうずらの卵。小学生でも死亡するので、乳幼児は油断できません。
この事故では中華丼に入っていたものが原因でした。あんかけは滑りがよく、具を丸飲みしやすいので特に注意が必要です。
●【1歳・女の子】ミニカップゼリーをのどにつまって窒息
●【7歳・男の子】こんにゃくゼリーをのどにつまらせ窒息
こんにゃくゼリーは、幼児や老人の窒息が多いことで知らせており、これまで何度も改善されています。しかし弾力のある固めのゼリーは全て、のどに詰まらせやすいので、いずれも注意が必要です。
小さく切って食べさせるか、一口ずつ小さく食いちぎって食べるよう、大人が目の前で見届ける必要があります。
●【9か月・男の子】おかきを食べていて、のどにつまらせて倒れ、窒息
おせんべいなど食べられるようになると、子ども自身もいろんな食べ物にチャレンジしたがりますが。目を離しているうちに、大人向けのお菓子に手を出すことも。
おかきやおせんべいは唾液を吸って口内にへばりつくので、意外とてごわい食べ物です。
●【3歳・女の子】母親が飲ませた下痢止め薬の錠剤が気管に入って窒息
上を向いて口に入れてあげる…、よくある光景ですが、ほんの小さな錠剤が気管に入るだけで窒息します。
錠剤を包丁で切断して細かく割るか、粉末のものを利用するとよいでしょう。
いかがでしたか?どれも家庭にある身近な食品ばかりでしたね。
日常、食事という当たり前の行動をしていても、ひょんな動きから、のどをふさいでしまいます。
小さなものでも、乳幼児の小さな気道はすぐにふさがれてしまいます。
食事中は姿勢よく座って、一口ずつ噛み切って、口に入れすぎず、よく噛んで食べましょう。当たり前のしつけが、子どもの命を守ります。
Photo by Philippe Put