出産時に赤ちゃんがスムーズに出てこない場合には、吸引分娩（きゅういんぶんべん）や鉗子分娩（かんしぶんべん）などの方法でサポートすることがあります。
吸引分娩とは吸盤のような金属でできたカップを赤ちゃんの頭につけて吸引しながら分娩の補助をする方法で、鉗子分娩はスプーン状のトングのような道具「鉗子」を使用して赤ちゃんを引っ張り出す方法です。
分娩が進まず、母子にとって通常の分娩でのリスクが高まったと判断された場合には、吸引分娩や鉗子分娩が行われ、それでもダメなら帝王切開に切り替わることもあります。
ただ、どちらの方法も赤ちゃんを引っ張り出す方法になるので、多少なりとも赤ちゃんや母体に影響が出てしまうことがあります。
●吸引分娩の後遺症として考えられるのは？
吸引分娩を行った場合、赤ちゃんの頭に圧力がかかることが問題として挙げられます。
頭の形が変わってしまったり、血が溜まってしまうこともあると言われていて、特に頭の形の変化を気にするママは多いようです。
しかし、分娩後しばらくすると、頭の形や血腫は自然と治まることがほとんどなので、神経質になりすぎないよう考えておきましょう。
ただ、ごくまれに頭蓋骨内で出血が起きてしまい、深刻な後遺症が起きることもあると言われています。
●鉗子分娩のリスク
鉗子分娩の場合には鉗子が当たってしまうことから、赤ちゃんが傷ついてしまうことがあると言われている他、どちらの方法もママの膣などにダメージを与えることがあるようです。
技術や道具が進歩してきて、このようなリスクは最近はほとんどありません。
それでも、鉗子分娩のリスクを抑えるために、最近では吸引分娩をしても赤ちゃんが生まれない場合には帝王切開に切り替えることが多いようです。
母子の生命の安全のために、あらゆる手段でお産を助けようとする医学は、いつの時代も変わりません。医師や助産師さんは、その時のベストな方法を選択しているようです。
Photo by Felipe Fernandes
